1.中国がハーグ条約締結国に。
福岡法務局そばの矢野・いなほ司法書士事務所です。中華人民共和国駐福岡総領事館のホームページによりますと、中国政府がハーグ条約(外国公文書の認証を不要とする条約)を締結したようです。発効は2023年(令和5年)11月7日から。これにともなって総領事館での文書の領事認証の業務も停止されるとのこと。特に大きなニュースの扱いにはなっていませんが、中国本土へ提出する書類の手続きが大きく変わります。
参照:中華人民共和国駐日本国大使館のホームページ
http://jp.china-embassy.gov.cn/jpn/tztg/202310/t20231024_11167061.htm
2.中国への文書にアポスティーユが利用可能に。
これまで、中国の機関や企業に公的な文書、たとえば日本の会社の登記事項証明書(登記簿謄本)を提出する場合、以下のような手続きが必要でした。
① 会社の登記事項証明書を取得(法務局)
⇩
② 公印確認を受ける(外務省)
⇩
③ 領事認証を受ける(中国領事館)
⇩
④ 提出先へ送付
ハーグ条約(外国公文書の認証を不要とする条約)に締結している国では、このうち②の「公印確認」と③の「領事認証」までは不要で、アポスティーユ(apostille・付箋)だけでOKとなっています。
ハーグ条約(認証不要条約)の締結の有無 |
ハーグ条約非締約国 |
ハーグ条約締約国 |
外務省による |
公印確認 |
アポスティーユによる認証 |
領事認証 |
必要 |
不要 |
中国は以前はハーグ条約締結国ではなかったため、領事認証を受けるためわざわざ中国領事館での手続きが必要でした。しかし、今後は不要、というか領事認証のサービスを受けることができなくなるようです。また、私文書の場合ですと福岡の公証役場のワンストップサービスの活用も可能になるため、利便性がかなり高まると期待できます。(ちなみに、中国語で「ハーグ条約」は「海牙公约」、アポスティーユは「海牙认证」と表記されていることが今のところ多いようです。)
参照:外務省ホームページ 公印確認・アポスティーユとは
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000548.html
参照:福岡法務局ホームページ 公証人押印証明について
https://houmukyoku.moj.go.jp/fukuoka/static/koushouninfukuoka.html
3.アポスティーユが必要な書類とは?
中国での手続きでアポスティーユを求められるケースというと以下のものが多いと思います。
- 日本の会社の登記事項を証明するための登記事項証明書(登記簿謄本)など
- 中国での銀行口座開設のためのパスポートの写しなど
- 中国での就職する場合の健康診断書、犯罪経歴証明書など
- 中国の学校に入学する場合の卒業証書、成績証明書など
- 中国人と結婚(離婚)した場合の届出の受理証明書など
- 中国で何かを依頼する場合の委任状(委託書)など
4.当事務所でアポスティーユ取得の代行できます。
当事務所には司法書士と行政書士を兼任する専門家が在籍していますので、アポスティーユや公印認証、領事認証の取得代行、海外に在住されている方の書類の受け取りの代理も可能です。また、文書の翻訳が必要な場合には提携している翻訳会社のご紹介もいたします。以下は当事務所での一般的な報酬です。
当事務所の報酬(目安) | 通数による加算 | |
通常の代行コース (2週間以内に発送) |
12,000円~ |
1通につき+2000円 |
特急コース (最速3営業日で発送) |
24,000円~ | 1通につき+2000円 |
書類の提出を急ぐ場合、手続きのために時間を割けない場合、海外や遠方にいて取得が難しい場合など、アポスティーユについてご質問やご要望などがございましたら、当事務所(092-721-0236)までご連絡ください。