遺言について            

遺言は、生きている間に死後の財産や身分間関係などについて書いた書類のことを言います。お持ちの財産の分け方について、予めその「思い」を残すことで、残されたご家族の負担は減りますし、後々に起こり得る相続財産をめぐる争いを回避することもできます。

遺言のメリット

・相続の争いを回避しやすい

本来の所有者であるご本人が意思を表していれば、残されたご家族も納得してその方法に従いやすいです。

・亡くなった後の手続の負担が少ない

遺産分割協議は不要になりますし、通常の相続手続きよりも手間も費用も時間も節約できます。

・決まった人に財産を与えることができる。

面倒を見てくれた親族に多く譲ったり、直接は相続人にはならないお嫁さんや、お孫さんたちに譲ることができます。

遺言のデメリット

・生前に作成しないと効力が生じない。

お元気なうちに遺言をしておく必要があります。認知症になったり、亡くなってしまった後では遺言をすることはできません。

・適正に作成しないと効力を生じない。

遺書をご自身で書かれる方もいらっしゃいますが、残念なことに多くの自筆の遺言書は、現実には使われていません。適正な様式でなされていなかったり、検認などの手続を経ずに開封されたり、理由は様々です。当事務所では自筆遺言の書き方や、検認手続のサポートも行っております。

・書き方によっては、無用な紛争の火種になり得る。

遺言の内容が原因で紛争になるケースもあります。全てではありませんが、その紛争を回避する手段もあります。

遺言を書くことをおすすめする方

 私どもの事務所では以下のような方に遺言をおすすめしています。

① お子様がいらっしゃらない方

② 相続人の多い方

③ 再婚されている方

   → 相続関係が複雑になり、残された方の争いが起きやすいです。

④ 財産の種類が多い方

⑤ 不動産の資産が多い方

 → 相続人に分割しにくく、用途が特殊な財産の場合はあらかじめ遺言しておいた 方が望ましいです。

⑥ 誰にどの財産を与えるかを予め決めている方

⑦ 財産の用途にこだわりのある方

 → 「法人に与えたい」、「ペットの世話を頼みたい」など、遺言という制度はまさにそのような要望をかなえるためのものです。

自筆証書遺言の作成支援

お元気なうちにご家族のために遺書を書くのは、後々の相続トラブルを防ぐ最善の方法のうちの一つです。しかし、せっかくご自分で書かれた遺言が、亡くなったあとに内容の不備として無効と扱われ、いざという時に活用できない、というケースが多々あります。

また、2019年1月以降、民法改正によって「自筆証書遺言の方式」が変り、2020年7月10日からは「遺言書保管法」が施行され、自筆証書遺言の手続きも大きく変わりました。私どもは「新しい民法での遺言のかたち」に合わせた遺言作成を支援いたします。

費 用 の 内 訳 費用の目安
自筆証書遺言作成支援15,000円程度~
財産目録つき自筆証書遺言作成支援25,000円程度~
遺言書の内容確認、保管サポート10,000円程度~

公正証書遺言の作成支援

公正証書遺言とは公証人の関与のもとで行われる遺言です。

遺言公正証書の謄本

公正証書遺言①公証役場に費用を支払う必要があり、また、②証人を二人手配しなければならない、などのハードルもありますが、自筆証書遺言よりも、改ざんされる恐れが少なく、紛争にもなりにくい強力な遺言です。

自筆証書遺言の場合、費用は安くて済みますが、紛失や改ざんされるリスクがどうしても残りますし、内容に納得がいかない相続人が「◯◯が無理やり書かせた」などという理由で、遺言の無効を訴えることも考えれれます。それに比べると証人2人の面前で公証人が本人の意思をしっかりと確認する公正証書遺言は、無効になる確率が極めて低い、確実性の高い遺言と言えます。そのため当事務所では、遺言の内容をほぼ確実に実行できる公正証書遺言をおすすめめしています。もちろん、ご自分で書いた遺言の内容を活用して、公正証書遺言の形式にバージョンアップすることも可能です。

公正証書遺言のメリット

  • 専門家が関与するので確実な遺言である(無効になることがほぼない)
  • 自筆でなくてよい(自分で書く必要がない。手が不自由であったり、視覚、聴覚障害の方でも作成しやすい。)
  • 病院や施設等にも出張して作成できる(意思がはっきりしていれば入院中でも作成できる)
  • 遺言書を紛失しても手続きができる(原本は公証役場に保管されている)
  • 家庭裁判所の検認手続をする必要がなく、残された家族の負担も少ない

支援の内容

  • 遺言書の作成
  • 公証役場との打ち合わせ
  • 証人の手配

費用の目安

費 用 の 内 訳 費 用 の 目 安
司法書士費用 (遺言の内容によって変動します)   40,000円程度~
証人手配費用 (親族や譲受人ではない方2名) 1人につき1万円程度
公証役場の費用(財産の内容によって変動します)  40,000円程度~

 ※ 公証役場の費用を含めておおよそ10万円~のご請求が一般的です。 

※ 遺言は何度でも撤回できます。入院時に急いで作成した遺言を、後日訂正する可能です。(ただし費用はかかります)

検認手続支援


 ご自身で書かれた自筆証書遺言などは、亡くなられた後に相続人の方が集まって、家庭裁判所の検認手続を終える必要があります。亡くなったご家族の自筆証書遺言が見つかった場合には、遺言書の封を開けずに当事務所を含めた専門家にご連絡ください。(家庭裁判所に提出する前に自筆証書遺言を開封してしまうと、五万円以下の過料に処せられる可能性があります。)

 当事務所では検認手続についてのサポートもいたします。

検認手続費用(印紙代) 1通につき800円
司法書士費用  30,000円程度~