「合同会社」とは?

「合同会社(ごうどうがいしゃ)」という会社をご存じでしょうか?「株式会社」や「有限会社」などに比べれば知名度は高くありませんが、平成18年から設立できるようになった、比較的新しい会社の種類です。近年、この合同会社の設立登記が増えています。


平成29年の1年間に、日本では27,270社の合同会社の設立登記がなされました。件数を見ても6年前の約3倍、現在は、会社の設立登記の約5分の1が合同会社の設立となっています。

合同会社は、同じ平成18年の会社法の改正の時に、新しく生まれた会社の形式です。合同会社の構造は、かつての有限会社の構造に似ています。改正当初は有限会社の代わりとして合同会社の登記がされていたケースが多かったようです。

合同会社のメリットとは

現在設立される会社のほとんど、約8割は「株式会社」です。そのなかで、あえて「合同会社の設立」を選ぶ方が増えている理由とは何でしょうか?一般的には、株式会社と比べて合同会社には以下のような特徴が見られます。

  • 設立費用が安くて手間も少ない
  • 役員に任期がない
  • 決算公告をしなくてよい
  • 経営の自由度が高い
  • 意思決定のスピードが速い

株式会社に比べると、合同会社はコンパクトな単位を想定しているので、構造がシンプルで、費用も節約しやすい会社の形態です。言ってみれば、自動車を購入するときに、普通車ではなく、比較的費用が安くて小回りがきく軽自動車を選ぶ感覚に近いかも知れません。

合同会社の知名度

合同会社は比較的新しい会社の種類です。そのため、その知名度の低さが「信用の低さ」とみなされて株式会社を選択するという方が多いもの現実です。しかし、そんな合同会社の中にも有名な会社があります。

  • グーグル合同会社
  • Apple Japan合同会社
  • アマゾンジャパン合同会社
  • フィリップモリスジャパン合同会社
  • ワーナーブラザースジャパン合同会社
  • エクソンモービル・ジャパン合同会社

グーグル(Google)、アップル(Apple)、フェースブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)という現代を代表する企業の総称としてGAFAという用語を使う場合がありますが、このGAFAうち、3社の日本法人は合同会社です。実のところ、これらの会社は、アメリカの親会社がアメリカ国内で税制上の優遇(パス・スルー課税)を受けるために、日本の合同会社の形態を選択するケースが多いですが、いずれにしても、合同会社であるからといって、設立後間もない小さな会社ばかりというわけでもありません。